レーザートラッカーの有線イーサネット接続の設定とWindowsの構成
概要
この記事では以下の内容を解説しています。
- Windows (Windows 10、 Windows 7 と Windows XP)の有線イーサネット構成 及び、コンピュータ、Laser Tracker とトラッカーユーティリティの設定
- イーサネットケーブルの要件
- 接続時の問題
イーサネットケーブルの要件
FARO® Laser Trackerは、CAT5イーサネットケーブルを使用し100Mbps接続でコンピューターに接続します。
Electronic Industries AssociationおよびTelecommunications Industry Association(EIA / TIA)で指定されているCAT 5イーサネットケーブルの推奨最大ケーブル長は、100メートルまたは328フィートです。
イーサネットの構成
Windows 10
クイックステップ
操作手順は、以下に示します。詳細については、以下のリンクをクリックしてください。
-
最新の Tracker ユーティリティのダウンロードとインストール
-
PC のネットワークの設定を確認
-
トラッカーユーティリティを使用してレーザートラッカーと接続を有効にする
-
CAM 2への接続方法10(オプション)
多くの場合、コンピュータのIPアドレス、ファイアウォール設定、またはWi-Fiがオンになっているため、有線接続を介してレーザートラッカーに接続することができない場合があります。本資料では、ローカルPCの設定、Laser Trackerおよびトラッカー ユーティリティの使用についてご案内します。
準備
正しく操作を行うために、開始前にこの表を確認してください。
完了までの時間 |
15 分 |
必要なスキル |
|
前提条件 |
|
互換性 |
|
サポートされているソフトウェア |
|
コンピュータのネットワーク設定確認
- ココをクリック して、最新版のFARO® Laser Tracker Utilitiesをダウンロードしてください。
- ダウンロードしたファイルをレーザートラッカーと接続するコンピュータのデスクトップなど、わかりやすい場所に解凍してください。
- ウイルス対策ソフトウェアを一時的に無効にし、setup.exeファイルを右クリックから、「管理者として実行」をクリックしてインストールください。
コンピュータのネットワーク設定確認
- 一時的にWindowsファイアウォールを無効にします。
- Windowsのスタートアイコンをクリックして、表示されたアプリの一覧の中から「Windowsシステムツール」>「コントロールパネル」をクリックします。コントロールパネルのウインドウで「システムとセキュリティー」をクリックください。
- 次の画面で「Windowsファイアウォール」をクリックし、「Windowsファイアウォールの有効化無効化」をクリックください。
- プライベートネットワークとパブリックネットワークの両方で無効を選択して「OK」をクリックください。
- ネットワーク構成の設定
- Windowsの「コントロールパネル」の「ネットワークとインターネット」よりイーサネットのアダプタオプションを開きます。ローカルエリア接続を右クリックからプロパティを選択します。
- プロパティでインターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)をクリックで選択しプロパティをクリックして開きます。
- 「次のIPアドレスを使う」のラジオボタンを選択して、固定IPアドレス(128.128.128.10)、サブネットマスク(255.255.255.0)を入力し、OKでウィンドウを閉じます。
- Vantageの工場出荷状態のIPアドレスは128.128.128.100に設定されています。 PCと接続するには、レーザートラッカーに付属のイーサネットケーブルを使用して下さい。
- ※IPアドレスはトラッカーと同じ番号にならないように注意下さい。
- ※VPNや、プロキシ設定を行っている場合もOFFにして下さい。
- ユーザーアカウント制御 の無効化
- コントロールパネルの「ユーザーアカウント」より、「ユーザーアカウント制御設定の変更」をクリックします。見つからない場合は検索欄に「UAC」と入力し、検索一覧に表示された「ユーザーアカウント制御設定の変更」をクリックし開きます。
- 下記のようにスライドバーを下げて「通知しない」に設定下さい。
レーザートラッカーを起動し、トラッカーユーティリティを使用して接続
-
Laser Tracker の電源を投入し、Vantageモデルの場合、起動時に接続モードを確認してください。 電源をオンにした後しばらくの間、MCUのライトのステータスを確認します。
- 有線接続モード: 電源投入後、 ① のランプのみ点灯。
- 無線接続モード: 電源投入後、① と ② のランプ両方が同時に点滅。
- トラッカーが有線接続モードの場合、次に進んでください。トラッカーが無線接続モードの場合、有線接続へリセットする必要があります。ユーザーマニュアルを参照してください。
- Tracker Utility の起動
- イーサネットケーブルが接続されているのを確認してTrackerUtilityを起動します。Vantage と ION モデルにはクロスオーバー イーサネットケーブルが必要です。VantageS 及び VantageE モデルは専用のケーブルを使用してください。
- Vantageの場合:「Serial Number or IP Address」の欄にトラッカーヘッドに記載のございますシリアル番号の下4桁を入力します。
- ION、Xトラッカーの場合:「Serial Number or IP Address」の欄に機材のIPアドレスを入力します。工場出荷状態のIPアドレスは(128.128.128.100)に設定されています。
- 入力できましたら、「Connect」をクリックしてください。
- 接続が出来なかった場合は、機材のアドレスを確認します。
- 「Find Trackers」をクリックして接続の確認をします。Find Trackersのウィンドウが開きましたら、「Match the IP Address…」のチェックを外し、「Find Trackers」ボタンをクリックして下さい。
- 一覧に出て来ました内容を確認します。IPアドレスが異なったりWi-FiがOnの場合は変更します。
-
一覧にLaser Trackerが表示されない場合は、「コンピュータのネットワーク設定確認」を再度確認するか、コンピュータとLaser Trackerを再起動してください。
- Find Tackersにて問題がなければ、「Close」で「Find Tackers」を閉じ、「Connect」をクリックして接続を試みて下さい。
- TrackerUtilityが正しく接続されると
- TrackerUtilityが接続されますとTrackerUtilityのメニューが表示されます。終了する際は「Disconnect」をクリックして終了します。
CAM 2への接続方法(オプション)
- CAM2Measure10を起動して「測定器のコントロールパネル」を表示します。キーボードショートカットの「P」からアクセス出来ます。
- VantageS はCAM2Measure10.6.7以降が必要です。
- Vantage はCAM2Measure10.1以降が必要です。
- 測定器 一覧に表示がない場合は以下の手順で追加して下さい。
- Vantageの場合:「Tracker ID(Vantageのみ)」を選択し記入欄にトラッカーヘッドに記載のございますシリアル番号の下4桁を入力し、接続をクリックします。
- ION、Xトラッカーの場合:「IPアドレス」選択し記入欄に機材のIPアドレスを入力しし、接続をクリックます。工場出荷状態のIPアドレスは(128.128.128.100)に設定されています。
Windows 7
Windows 7のコンピューターに搭載されたのネットワークカードを、FARO® Laser Trackerを接続するには次の手順で設定してください。
クイックステップ
- デスクトップでスタートメニューをクリックし、「ネットワーク接続の表示」を選択します。
- または、Windows のスタートメニューから「コントロールパネル」>「ネットワークとインターネット」>「ネットワークと共有センター」を開き、左側のリストから「アダプター設定の変更」を選択します。
- 「ローカルエリア接続」アイコンが少なくとも1つ必要です。 マウスポインターで選択して各アイコンをハイライト表示します。 ツールヒントには、ネットワークアダプタのメーカーとモデルが表示されます。
注意:複数の「ローカルエリア接続」がある場合、どれがFARO Laser Trackerシステムに使用されているかを確認する必要があります。最近のコンピュータにはネットワーク接続が組み込まれています。コンピュータによっては、別のEthernetボードまたはネットワークアダプタが取り付けられている場合があります。 - Laser Trackerに接続されている「ローカルエリア接続」アイコンを右クリックしプロパティを選択します。
- インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)にチェックマークが付いているのを確認し、選択して「プロパティ」をクリックします。
- 「次のIPアドレスを使う」のラジオボタンを選択して、以下を入力してください。
IPアドレス:128.128.128.x(xは0から99の間のいずれか)
サブネットマスク:255.255.255.0
- 「OK」をクリックしてローカルエリア接続のプロパティへ戻ります。
- 閉じる をクリックして変更を保存します。「ネットワーク接続」画面に戻ります。
- トラッカーに使用しているローカルエリア接続のアイコンを右クリックして再度プロパティを選択します
- プロパティの上部にある共有タブをクリックして表示します。
- 「他のネットワークユーザーにこのコンピュータのインターネット接続を介した接続を許可する」が選択されていないことを確認します。 チェックが入っている場合が外してください。
- 「OK」をクリックしてネットワーク接続 に戻ります。右上の[X]ボタンで画面を閉じます。
- デスクトップのスタートメニューから「ファイアウォールの状態確認」を探して選択します。(詳細設定のあるWindowsファイアウォールを選択しないでください)
または、「コントロールパネル」>「システムとセキュリティ」>「Windowsファイアウォール」と進んでください。
- ウィンドウの左側にある「Windowsファイアウォールの有効化または無効化」を選択します。
- プライベートネットワークとパブリックネットワークの両方で無効を選択して「OK」をクリックください。
- 「OK」をクリックします。
注:ファイアウォール設定を更新することを推奨する通知が表示されます。 「推奨設定を使用します」を押さないでください。トラッカーとの通信の問題が発生します。コンピュータが別のネットワークアダプタまたはワイヤレスを使用して会社のネットワークにも接続されている場合は、コンピュータとインターネット間の通信をモニタリングするハードウェアファイアウォールの保護をしてください。
- 右上の[X]を選択してこの画面を閉じ、デスクトップに戻ります。
- イーサネットケーブルがコンピュータとMCUに接続されていることを確認します。MCUの接続は、電源スイッチの横にあります。
- 通信が行われていることを確認するには、Windows検索窓で、「cmd」を入力し、実行するとコマンドプロンプトが開きます。
- [ping128.128.128.100 ]と入力し、Enterキーを押します。
- 「応答」を受け取った場合、コンピュータとトラッカーは互いに通信できます。 「要求がタイムアウトしました」を受け取った場合、コンピュータとトラッカーは相互に通信できません。 考えられる原因は次のとおりです。トラッカーがコンピュータに接続されていないか、イーサネットケーブルが正しく機能していません。
トラッカーが起動していない。
「ローカルエリア接続」(または構成されたばかりのネットワークアダプタ)が無効。
有効にするには、「ネットワーク接続の表示」に戻って選択、右クリックから有効をクリックします
「ローカルエリア接続」は、トラッカーが接続されているネットワークアダプタではない(コンピュータに複数のネットワーク接続がある場合に適用されます)
以前に使用した誰かがトラッカーのIPアドレスをデフォルトの128.128.128.100から変更した場合。「ローカルエリア接続」にステップ6で説明したものとは異なるIPアドレスを割り当てる必要があります。
このIPアドレスは、トラッカーの新しいIPアドレスと同一のセグメントが必要です。
- 右上の[X]を選択してコマンドプロンプトを閉じデスクトップに戻ります。
トラッカーへの接続の問題が解決しない場合、測定ソフトウェア(CAM2など)がトラッカーと正しく通信するように構成されていないか、コンピュータにインストールされたサードパーティのファイアウォールソフトウェアを無効にする必要があります。
-----
Windows XP
概要
Windows XPのコンピューターに搭載されたのネットワークカードを、FARO® Laser Trackerを接続するには次の手順で設定してください。
クイックステップ
-
デスクトップでスタートメニューからマイネットワークを右クリックし、プロパティを選択します。
- 「ローカルエリア接続」アイコンが少なくとも1つ必要です。 マウスポインターで選択して各アイコンをハイライト表示します。 ツールヒントには、ネットワークアダプタのメーカーとモデルが表示されます。
注意:複数の「ローカルエリア接続」がある場合、どれがFARO Laser Trackerシステムに使用されているかを確認する必要があります。殆どのコンピュータにはネットワーク接続が組み込まれています。コンピュータによっては、別のEthernetボードまたはネットワークアダプタが取り付けられている場合があります。
- 使用していないネットワーク接続をすべて無効にしてください。
- Properties’. Laser Trackerに接続されている「ローカルエリア接続」アイコンを右クリックしプロパティを選択します。
- ファイアウォールがインストールされてない。もしくは無効になっている事を確認ください。
- インターネットプロトコル(TCP/IP)にチェックマークが付いているのを確認し、選択して「プロパティ」をクリックします。
- 「次のIPアドレスを使う」のラジオボタンを選択して、以下を入力してください。
IPアドレス:128.128.128.x(xは0から99の間のいずれか)
サブネットマスク:255.255.255.0
- 「OK」をクリックしてローカルエリア接続のプロパティへ戻ります。
-
「構成」をクリックして「詳細設定」タブをクリックして開きます。「Cable Type」という名前のリストのプロパティを確認します。 「Cable Type」がリストされている場合は、それを選択し、値が「Auto」または「Auto Detect」に設定されていることを確認します。
次に、「OK」ボタンをクリックします。「Cable Type」がリストにない場合は、「キャンセル」ボタンをクリックしてください。
- 完了したら、「OK」をクリックしてネットワークプロパティを終了し、再起動を促すプロンプトが表示されたら「はい」をクリックして再起動します。
- イーサネットケーブルがコンピュータとMCUに接続されていることを確認します。MCUの接続は、電源スイッチの横にあります。
- デスクトップのスタートメニューから「ファイル名を指定して実行」をクリックください。
- 記入欄に「Ping 128.128.128.10 –t」を入力してOKをクリックください。
- 「応答」を受け取った場合、イーサネットは適切に構成されています。イーサネット構成に問題がある場合は、 「要求がタイムアウトしました」を受け取ります。
- 15. レーザートラッカーのIPアドレス「Ping 128.128.128.100 –t.」を使用して、11-13のステップを繰り返してください。
接続の問題?
コンピュータとレーザートラッカーの接続をファイアウォールがブロック?
FARO® Laser Tracker にコンピュータを接続している際に、接続が断続的に切断されたり完全にブロックされたりする場合、コンピュータの環境でファイアウォールが有効になっている可能性があります。
Laser Trackerに接続されているコンピューターが、ファイアウォールで保護されているネットワークを介してインターネットに接続されている場合があります。 この場合は、IT部門に連絡して、トラッカーに影響を与える可能性のある企業のファイアウォールを無効にしてください。
特定の例外ポートを使用している場合でも、トラッカーはソフトウェアまたはハードウェアファイアウォールと互換性がありません。 企業サーバーとインターネット間のファイアウォール、インターネットへのネットワークトラフィックのみをフィルタリングする場合、トラッカーの通信には影響しません。
ネットワーク設定の工場出荷状態への初期化 (Vantage S/E)
Vantage S&Eシリーズレーザートラッカーで「ハードリセット」を実行するための手順を説明しています。 これにより、ネットワーク設定は工場出荷時の設定にリセットされます
- IP アドレス: 128.128.128.100
- サブネットマスク: 255.255.255.0
このリセット手順は、トラッカーのイーサネット設定がDHCPを使用するように変更されて接続できるネットワークがない、トラッカーのWi-Fiが許可されていないエリアで使用する場合に役立ちます。 トラッカーのIPアドレスが初期値以外に変更されていても、FAROユーティリティがコンピュータにインストールされていない場合でも、Find Trackersの機能を使用できます。
すでにトラッカーの電源がONの場合:
- トラッカーの電源ボタンを30秒以上押し続けてから離します。電源ボタンを離すとトラッカーの電源が切れます。
- およそ10秒待ってから電源ボタンを短く1回押し、トラッカーの電源を再投入します。
- トラッカーの起動処理が完了するのに約1分かかります。 トラッカーの上下回転軸の付近の赤いLEDとトラッカー開口部の近くの赤いLEDは、起動処理が完了すると点滅が終了します。
- トラッカーが起動処理を完了すると、トラッカーの有線IPアドレスは上記の工場出荷時の初期設定にリセットされます。
トラッカーの電源が切れている場合:
- トラッカーの電源を一次側電源に接続した状態で、トラッカーの電源ボタンを30秒以上押し続けてから離します。
- トラッカーの起動処理が完了するのに約1分かかります。 トラッカーの上下回転軸の付近の赤いLEDとトラッカー開口部の近くの赤いLEDは、起動処理が完了すると点滅が終了します。
- トラッカーの起動処理が完了したら、電源ボタンを短く1回押してトラッカーをオフにします。
- およそ10秒待ってから電源ボタンを短く1回押し、トラッカーの電源を再投入します。
注:これらの手順は、ファームウェア2.5.0.2以降がインストールされているVantage S / Eシリーズトラッカーで使用できます。これは、2017年12月以降に新規出荷、または2017年12月以降にサービスを受けた機材が含まれます。
ネットワーク設定の工場出荷状態への初期化(Vantage)
特定の状況で、Laser Tracker MCUのワイヤレス発信機はオンになっているが、コンピュータに接続できないか、コンピュータにワイヤレス機能がない場合、ワイヤレス発信機をリセットし、クロスオーバーイーサネットケーブルを使用して接続できます。ワイヤレスリセットボタンはMCU内にあります。 リセットボタンを押すには、0.05mm / 0.002inの薄いブレードが必要です。
無線接続モードになっていてコンピュータに接続できない場合、またはワイヤレスをオフにする場合は、この手順にそって初期化してください。
- MCUの右側にある換気スロットを探してください。 リセットスイッチに感触があるまで、ブレードを長い通気スロットの1つに挿入します。スリットの端が丸くなっている部分の下に挿入します。 スイッチが正しく押されると、プライマリおよびセカンダリインジケータライトが点滅し始めます。 ワイヤレスリセットボタンを1〜3秒間押してから離します。
- 注:MCUに追加のフィルターキットを取り付けて粒子保護を強化している場合、このフィルターキットのフレームの下端が下部換気スロットを覆う場合があります。
- クロスオーバーイーサネットケーブルをMCUとコンピュータに接続します。
- イーサネット接続カード(ローカルエリア接続)のTCP / IP v4プロパティを特定のアドレス169.254.4.4に設定します。 MCUのIPアドレスと同じにしないでください。
- TrackerUtilityを起動し、「Find Trackers」ボタンをクリックして下さい。
- シリアル番号をダブルクリックして「TURN WIRELESS OFF」をクリックください。
- MCUの電源を切ってから入れるようにメッセージが表示されるので「了解」をクリック。起動中にプライマリおよびセカンダリインジケータライトが点滅しないことに注意してください。
- FARO Utilities を終了してください。
- イーサネット接続カード(ローカルエリア接続)のTCP / IP v4プロパティを特定のアドレス128.128.128.10に戻します。